震災に負けず立ち上がった宮古の名も無き旅館の記録

みかわ旅館のブログ

業務日誌45

2015年7月8日

昨夜の午後21時過ぎの事、旅館の電話が鳴りました。

私は旅館の事務所で事務作業をしておりましたが、商売柄この時間にお電話を頂くというのは決して珍しい事ではありません。

電話に出てみると、日頃大変お世話になっている盛岡の工事業者さんだったのですが、空室状況の確認のための電話でした。

こちらの会社、通常は盛岡の事業所から事務の方が予約の電話を下さるのですが、今回は違いました。

電話を掛けてきたお客様は、今年の2月に当館に1ヶ月の長期で御宿泊頂いていたお客様ご本人だったのです。

現場の方から直接ご予約(空室確認)を頂くことが無い会社だったのでちょっとびっくりでしたが、話によると宮古から30km程離れた現場で作業をしているとの事。当然その現場のご近所に現在は定宿を構えているそうですが、何でもその宿での人間関係的な問題があり、「宿を変えたい」という事での問い合わせでした。

そして当館、実は今週も突然のキャンセルにて空室が目立っていたのですが、調度良いタイミングでお電話下さったので、一言返事で予約を取り次ぎました。

本日4名でお見えになり、週末まで御宿泊頂くのですが、何と!おみやげまで頂戴してしまいました。

ですので、当然夕食時はビールをサービスですよね!。

もともとビールを注文しようとしていたらしく、ポケットには1.000円札を忍ばせていたのですが、それを引っ込めてもらうのに苦労しました。

心の通い合うお客様って、サービスしていて本当に気持ちがいいものです。

来週も1週間泊まりたいとの申し出だったのですが、何と来週は満室となってしまい、心苦しくもお断りさせて頂いたのです。この時ばかりは本当に切ないです。

こうしたお客様を一組でも二組でも増やす事で、当館の存在が長く続くか続かないかが決まると入っても過言でがありません。

リピーターを増やさなければ !  と常日頃頑張っているのはいいが、実際のところは全てのお客様に100%の満足なんて決して与えられるものではありません。お客様がこうして欲しい!という要求と、こちらがこうしてあげたい!という要求は必ずしも

「イコールの関係ではない」

からです。

お客様ひとりひとり違っていて当たり前なのですが、それをこちらで把握出来なければ接客業は務まりません。

私は、接客業に携わり20年程度のまだまだ勉強中の身。

    ”対人間業は本当に奥が深い”    です。

その日その時のお客様の要求を少しでも汲み取れるようになるまで、私の旅館修行は永遠に続くことでしょう。

  • B!