災害報道のありかた
東日本大震災発災時、私共はテレビ等のメディアを通じて情報を得ようなどという精神的余裕はありませんでした。
当時はガラケ+ワンセグが主流の時代だったので、恐らく二人に一人は必ずワンセグが見られる環境にあったと思われます(少なくとも私を取り巻く周りの人で)。
しかしながら、震度6強の地震に見舞われた後の沿岸付近に住むものとしての次なる行動は、高いところへの避難なのです。
避難している最中に、ワンセグなど見ていられません。
こんな時に重宝するのは、やっぱりラジオなのですね。
幸いにも沿岸市町村には、防災無線なるものが普及していて、その防災無線からの情報のみで避難するべきかしないかの判断が出来ます。
津波到達後も5日間ほどは停電が続き、パソコンは愚かテレビなど見られる環境では無かったのですが、電気復旧後はネットにて震災当日から今日(震災から5日後)に至るまでの情報収集を行いました。
実際に自分の住む街でどのように津波が押し寄せてその後街がどうなったのかなどと、山に避難していたもので把握していませんでした。
テレビ、インターネット等の動画を見て驚愕しました。
街が津波に呑まれていく.....。
恐らく、当時テレビを見ていた方や、避難しながら車の中でワンセグ放送を見ていた方も居たと思います。
これから紹介する動画は、震災時宮古湾に津波の第一波が到達した時の岩手朝日テレビ(IAT)の報道です。
津波の到達を情報カメラで確認している岩手のスタジオ、一方で情報不足でそれを知らない東京の朝日テレビとのギャップ。
緊迫しているスタジオ内でのやり取り、そしてIAT山田アナの悲痛の叫びを御覧ください。(1分程度の動画です)。
www.youtube.com
こんなのもあります。
2012年12月の7日の放送のようなので、東日本大震災のものでは無いと思われます。
これがメディアの災害時の報道のお手本だと思います。この辺はさすがNHKでしょう。
ちょっと長い動画ですが、開始30秒くらいから2分までご覧頂ければ全容が分かると思います。
www.youtube.com
この放送をご覧になっていた方で避難を始めていなかった方は、恐らく避難したでしょう。メディアの情報伝達の仕方によっては、危険にさらされる命もあれば救われる命もあるのです。
このような報道が今回の台風時に放送されていれば、犠牲者はもっと少なかったのではないのでしょうか?。