来年度2016年10月に、「2016希望郷いわて国体」 が開催されます。
この国体は、47都道府県で毎年会場を変えて行われているものですので、同県での開催は47年に一度限り、つまり私が生きているうちは恐らく一度限りであろう一大イベントとなります。(長生きするつもりはありませんので・・・)。
今自分が41歳なので、次の岩手県開催は46年後となると、41+46=87歳 となるので、医学が発達した今日であったとしても、まぁ生きてはいないでしょうね。
そしてこの国体、岩手県内の各市町村を会場に各競技が行われる訳ですが、我が宮古市は
①レスリング
②セイリング
の2種目が行われる予定となっております。
岩手県での開催においては、震災からの復興という意味合いも若干ながらあるとの事ですが、大会関係者、役員、選手、応援団の皆様を受け入れる宿泊先が確保出来ず、大会の開催に支障を来たしているとの事。
現在、本市はまさに復興事業の真っ最中。
当館にも例外はなく、復興工事関係者様がに多数御宿泊頂いている状況にあるわけですが、来年の10月にもこの状況は変わらないという推測の基に話を進めます。
このいわて国体の大会実行委員会は県ですが、その大会関係者・役員・選手を受け入れる宿泊先の手配は、民間の大手旅行代理店が一括して引き受けているのです。
その旅行代理店の方が6月の初めに当館にも営業に来られ、選手団を受け入れてくれる宿泊施設が不足して困っているので、何とか受け入れ先になって欲しいという事だったのです。
復興工事の真っ最中という事は・・・・
「大会開催事には工事関係者も当然ながら当館を含め市内の宿泊施設のどこかには宿泊されている、その最中に国体開催ともなれば、現在泊まっている工事業者さんを旅館から追い出して選手団を受け入れろという事ですか?」
と質問しましたが担当営業マンさんも、
「他の宿泊施設でも同じ事を言われてきました」
と渋い表情。
これはどうしたものか?と悩んでおり、その日にははっきりお返事はしませんでした。
それから数日後、私の旅館再開に向けて何かとお世話になった、市内のホテル海幸園の千束社長より、
「一生に一度の一大イベントが岩手県、そして宮古市で開催されようとしている。みかわさんの気持ちも分かるが、県そして宮古市としても一大イベント。ここで我々宿泊施設が県と市の国体運営に対して協力しなければ、地域を挙げての大会にはならない。考え方を少しだけ柔軟にしてみないか?」
とのお言葉。
確かに、東京オリンピック開催が決定しても、都内はおろか日本国内、国民が外国からの選手の受け入れに対して非協力的だったとしたら、 外国の皆さんはどう思うか?
などなど冷静に考えてみました。
我々宿泊施設が受け入れを拒否して一番困るのは、県と市はおろか選手の皆様方な訳です。
市内の宿泊施設が受け入れを拒んだから・・・という理由で隣県市町村の宿に受け入れてもらうというのは如何なものでしょうか・・・との結論を出しました。
まず、選手の皆様に失礼ですよね。その選手の皆様が、この大会を通じて宮古市を訪問されて、
「今度は観光で家族を連れてきたいな」
と言って貰えるように、自治体を始めとして各市町村が盛り上げて行かなければならないと気付かされました。
特に私どもは、震災後国と県から補助された資金によって商売を再開出来たという事実、都合のいい時ばかり県と国を崇めて、都合が悪くなれば「うちでは受け入れられない」というのは、本末転倒であると考えます。
私としては、県と国に対しての恩返しのつもりで、そして大会関係者、役員、選手の皆様に対して、大会当日までの間コンディションを万全にしてもらって思う存分競技に集中して貰えるよう、宿としての使命を果たそうと決めました。
恐らく自分一人ではこの結論には達しなかったと思うと少々情けない気もしますが、そんなアドバイスを下さり考え方を180度変えて下さった海幸園の千束社長には感謝感謝な訳です。
大会期間中は、最大で800名近くの選手団と大会関係者が宮古市を訪れるとの事。まだまだ宿泊施設が足りないそうです。噂では国体は絶対に受け入れないと、選手の受け入れを拒否している宿泊施設もあるとの事ですが、それはそれで良いと思います。
全ての宿泊施設が、国体の為に受け入れを受諾した場合、工事業者さんを受け入れて下さる宿が無くなってしまいます。
2極化してしまうと思われますが、これも大会を成功させるという意味では必要な二極化であると考えています。
私は、この事業を始められた事に対して、全ての皆様に恩返しがしたい。
とはいえ、定員21名程度の宿泊施設が手を挙げたところで、宿不足にどれだけ貢献出来るかは微妙なところですが、気持ちの問題という事で・・・。
これから先、大会開催までの1年3ヶ月に、復興工事の行く末と大会に向けての受け入れの準備、そして、大会を成功させるために地元をもっともっと盛り上げていく為に自分ができる事を積極的に進めていきたいと思います。