お見舞い申し上げます。
初めに、この度の台風10号ライオンロックにてお亡くなりになられました方々に対しまして、心よりお悔やみ申し上げます。
また、台風により被災された方々に対しまして、この場をお借りしてお見舞い申し上げます。
悪夢の1時間
8月30日の午前中から宮古市は暴風圏内に入り、ちょっとづつ風が強まって来ました。
常にテレビとにらめっこでしたが、今世紀最大級の台風だとか、東北から上陸というルートが観測史上初めてだとか、今までにない経験を今からする事になるのか?と不安ばかりが先行します。
降雨予測も1時間あたり250mmという、これまた経験したことのない状況であさから右往左往しつつも、館外にある飛びそうなものをとりあえず倉庫に収納しました。
午後15:00に差し掛かると、いよいよ暴風圏内に入ったのか、台風特有の体を持っていかれる強い風に見まわれ、雨脚が次第に強まります。
午後17:00、予報通りの豪雨に見舞われます。
旅館の目の前を流れる側溝は、あっという間に冠水してしまいました。
台風の接近は東の太平洋側からでしたので、当然風も東の海側から容赦なく吹き付けてきます。
上から降ってくるはずの雨が横から降っています。いや、これは降っているというよりは吹き付けているという表現のほうが妥当でしょうね。まさに横殴りの雨です。
気象概況です。
宮古市の最大瞬間風速は37.7m/s、雨量は一時間あたり80.0mm/hでした。
日本国内では、一時間あたり160mmとか200mmなどという記録的大雨も各所でありますので、それに比べれば80mmとて決して大きい数値では無いのかも知れませんが、実際のところ集中豪雨に見舞われたのはものの30分程度では無かったかな?と感じました。勿論、その前後も降り続いている訳ですから、行き場を失った雨水は徐々にその嵩を増して、やがて冠水してしまいます。
その当時は、まさかお隣の岩泉が報道のような事になっているなど、知る由もありませんでした。
台風が過ぎ去り.....
9月1日の朝の状況です。
なんということでしょう。
台風が過ぎ去ったあとの、朝日に照らされたうろこ雲.....。決して綺麗などとキレイ事を言っているような場合ではありません。
当館は、空室気味だったところから一転、電話が鳴りっぱなしで予約が殺到、あっという間に空室が埋まってしまいます。
市内の宿泊施設でも被災された事業所さんも多く、また宿不足の情報が交錯します。
旅館の電話、私の携帯電話は鳴り止む事はありませんでした。
恐らく2日間で100件近いご予約をお断りしています。
本当にお役に立てずに申し訳ございません。
9月1日、市内の一部概況報告。
三陸沿岸の南北を結ぶ大動脈、国道45号線宮古市藤原、9月1日朝の状況です。
当館のとなり町である藤原は約1mの冠水。
沿線の住宅は殆ど床上浸水だそうです。
8月31日は終日通行止めになり、これで沿岸ルートのみでの移動は絶望的となりました。
震災後に ”命の道路” として現在も急ピッチで整備の進む三陸縦貫道の整備がもしも間に合っていたなら......こんな事にはならなかったのかも知れません。
久慈、八戸方面に進むためには市内の中心部を通らなければならず、市内は終日大渋滞です。
しかしながら、今回の台風被害で改めて三陸縦貫道の重要性を再認識させられる事となるのは言うまでもありません。
市内末広町通りの新町付近。
こちらも床上まで上がったのでしょう。道路脇は泥であふれていました。
今回の報道でも特にVTRにて散見した宮古市役所付近。
報道で見る限りでは1.5m以上冠水していたようでしたが、市内で2番めに交通量の多いこの交差点が機能しなければ宮古市はパンクしてしまいますので復旧作業は早かったです。
国道106号線
盛岡と宮古を結ぶ国道106号線は、106号線のすぐ脇を流れる閉伊川の河川氾濫と近隣の山からの土砂災害により、至る所で道路が決壊、近隣市町村も床上浸水等の甚大な被害を受けました。
■国道106号線 宮古市花原市付近
■国道106号線 宮古市花原市付近
この影響で、30日の豪雨より106号線は緊急車両以外通行止めとなりました。
近隣市町村は今現在も断水が続いています。一日も早い復旧が望まれます。
■宮古市蟇目町内
■国道106号線 宮古市根市付近
国道106号線は、3日土曜日の夕方には開通の見通しという事です。
まとめ
台風の影響でまたもや甚大な被害を受けた岩泉町、そして宮古市。
私の知人で事業を営む多くの仲間たちも今回の水害に遭い、現在も復旧作業に追われております。
津波被害からの教訓を活かす間もなく、まさか台風でこれほどの被害が出るとは誰が予想したでしょうか?。確かに気象庁からのメディアを通じた呼びかけ、自治体からの避難指示に関しては宮古市においては素早い対応もあり人的被害は少なかったと表現したほうが賢明なのかも知れません。
当館は幸いにも今回は被害を免れましたが、周りの被災された惨状を見ると目を瞑らずにはいられないのです。
私はこうして情報を発信することで、少しでも多くの方にこの現実を知って頂きたいという願いからいつもブログを執筆しています。
水害ばかりは、人の力だけではなかなか防げないものです。
被災された方々の一日も早い復興を心よりお祈り致します。
そして、当館は、今回の台風被害で復旧工事に来られる業者様の受け皿として、宿泊施設を提供する事で、精一杯地域社会に貢献して参ります。