震災に負けず立ち上がった宮古の名も無き旅館の記録

みかわ旅館のブログ

東日本大震災 防潮堤の建設が全てではない

2015年10月15日

長期のお客様が帰られました。

おはようございます。

 

今週も内容の濃い営業となっております。

ただ、お客様数は.....お恥ずかしながら少なめです。

今年の3月よりご宿泊頂いていた工事業者さま6名が、工期の終了により水曜日を最後に当館を後にされました。

みかわ旅館始まって以来の半年以上の長期期間にてご利用された、大事なお客様でした。

その職人さんは比較的若い方が多く、shigeともそれほど歳も離れていないことから、夕食時やロビーで色々と会話も弾んだものでした。

若いだけに元気がよくて.....元気が良すぎて他のお客様からクレームに近い事も告げられた事もそれはありました。まぁ、これは若気の至りで、他のお客様もその辺は暗黙の了解を頂いていた部分も非常に大きかった訳です。

その為か、昨日から館内は嘘のように静まりかえっております。

最後は車が見えなくなるまでお見送りしましたが、やはり半年という期間が非常に長く感じただけに、寂しさも一汐でした。

また、宮古での現場が決まったら利用させて下さいとのお言葉を頂きました。

少なからず、こちらの誠意が伝わったものと勝手に解釈しています。

長い間ご利用下さいまして、ありがとうございました。

 

 

Cafe 異人館前の防潮堤の建設について

東日本大震災にて被災した事業所同士で立ち上げた、小グループの月次例会が先日の13日に、当館のご近所 ”Cafe異人館さん” にて今月も行われました。

 

過去に詳しく紹介した記事はこちらです。

 

毎月第2火曜日の例会ではこちらの店舗を会場として利用させております。

相変わらず西洋風のモダンな佇まいが、その存在感を発揮しております。

 

 

この日は天気にもめぐまれていたので、宮古湾もとても綺麗でした。

 

 

雲、多いですけどね.....。

以前からの読者の皆様、写真を見て何か変化を感じませんか??

過去の異人館さんを取り上げた写真を見て頂ければお分かりになるとは思います。

以前に無かったものが目の前に出現しています。

 

 

 

因みに、今年の2月に撮影した画像はこちらです。

 

そして、火曜日に撮影したのがこちら。

 

なんと!!、目の前に砕石の残骸が散らばっていて、海がなくなっています。

以前は、店舗の駐車場の直ぐ目の前が海だったのです。

 

これは、現在国と県の発注により行われている新しい防潮堤の工事によるものです。

つまり、異人館はあと数年後には店舗の周辺を4mのコンクリートで覆われてしまい、海が全く見えなくなってしまいます。

防潮堤の工事が決まったとき、マスターは

 

「うちの店は防潮堤なんて要らないから、店をコンクリートで覆わないでくれ!!」

 

と県に陳情まで上げたそうですが、こればかりは人命の安全確保が最優先の工事なので、どうにも受け入れられる陳情では無かったようです。

 

マスターは非常に悔しい思いをした事と思います。

 

 

この店内から見える景色が全て灰色のコンクリートになってしまうのです。

最高の景色が売りの異人館。

店舗から見える景色が全て灰色になってしまっては、今後の営業にも支障を来してしまいます。

お客様が減って売上が下がった場合、

国は保証してくれるのですか??

県は何か別の施策を提示してくれるのですか??

結果的に、安全と引き換えに個人で頑張っている経営者の経営を苦しめてしまうことになります。

防潮堤があったからとて、絶対ではないのです。100%安全な場所なんて、もはやこの地球上にはどこにもありません。

お偉い方々は、高台を作って宅地を移転して、そして莫大な予算で防潮堤を作り、海と生活圏との堺をコンクリートで固めてしまえば、全てが安全と認識しているようです。

高台移転は確かに必要です。

しかし、既に整備していた防潮堤を超えて、今回の東日本大震災では街が壊滅して尊い命が失われました。

 

 

4mの津波がきたから、今度は6mの防潮堤を作ろう!!

6mの津波がきたから、今度は10mの防潮堤を作ろう!!

所詮いたちごっこです。

莫大な予算をかけて防潮堤を建設する。結果的に特別復興所得税にて税収を上げて、その予算の穴埋めをする。住民はして欲しくもない莫大な予算の為に課税を強いられる訳です。

但し、私は防潮堤は必要ないと言っている訳ではありません。

必要とは思いますが、効果的な整備は必要ですよ!。

全ての海と生活圏の堺をコンクリートで隔てても、歴史は繰り返されるだけだと感じます。

 

 

一度被災された方の防災意識は高まっています。

せめて、復興工事の計画段階で、住民の意見をもっともっと取り入れた別の施策を考えて欲しかったと感じます。

間もなく、この窓から海が消えます。

コンクリートの壁て覆われる前に、是非訪れて見て下さい。

いや、コンクリートで覆われたからとて、異人館は何も変わることはないのです。

お客様の事を想って美味しいコーヒーを入れてくれるマスターの情熱は決して冷める事はありません。

 

 

 

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