震災に負けず立ち上がった宮古の名も無き旅館の記録

みかわ旅館のブログ

屋号を ”民宿” から ”旅館” に変更した理由

2014年11月14日

旧屋号

みかわ旅館は、震災前

”民宿みかわ”

という屋号で旅館業を営んでいました。

震災後、再建を決意するまの経緯を説明しようとすると、おそらく10年ぐらいは掛かりそうなので・・・というのは冗談ですが、それはまた今度にしますね。

そもそも旅館業といえども、その構築物の性格や設備からして名称を事業主が自由に変えられるのですが、その種類もいくつかあります。

 

 

宿泊施設の種類

ホテル営業

洋式の構造物及び設備を主とする施設を設けてする営業である。

旅館営業

和式の構造物及び設備を主とする施設を設けてする営業である。いわゆる駅前旅館、温泉旅館、観光旅館の他、割烹旅館が含まれる。民宿も該当することがある。

簡易宿所営業

宿泊する場所を多人数で共用する構造及び設備を設けてする営業である。例えばベッドハウス、山小屋、スキー小屋、ユースホステルの他カプセルホテルが該当する。

下宿営業

1ヶ月以上の期間を単位として宿泊させる営業である。

 

※厚生労働省HP 旅館業法概要より抜粋

 

 

という分類があります。

 

 

このご時世に民宿?

そして、当館は震災前、その中でも簡易宿泊施設と呼ばれる ”民宿”で営んでいたわけですが、この ”民宿” という響きが、幼いころから好きではありませんでした。

なんでうちは ”旅館” じゃ無いんだろう??

とよく疑問に思っていました。

いざ震災から復興に向けて気持ちが動き始めた時、開業時の屋号はどうしても”民宿”だけは名乗りたくないな・・・と。

2014年1月、税務署に個人事業の開業届けを出すも、屋号の届出はしませんでした。まだ迷いがあったんですね。

民宿という屋号で今まで営んできた先祖と自分の親の苦労・・・、屋号を変えることで何か大事なものを無くしてしまうのではないか?と。

色々な人に相談しました。母親、融資先の銀行の担当者、メーカーの営業マンさん、設計士さん、現場監督さん、同業者さん、先輩、友達等々。

結局最後は、この大事な部分は事業主が決めなければならないんですよね。

 

 

決断

先にも書いたように、民宿=簡易宿泊施設 であることから、うちは簡易的な施設でも設備でもなくお客様が快適に宿泊中の時間を過ごして頂ける様にそれなりに設備投資もするわけだから、 ”旅館” を名乗ってもいい!! と思ったのは、今年の7月ごろでした。優柔不断ですね。半年以上も悩んでいる訳ですから。

そうと決めたら、早速 ”みかわ旅館” で名刺を作りました。

以前に名刺交換をした方々にもとりあえず新しく出来た名刺を配りまくり、まずは屋号が変わった事を認知してもらいました。

すでに300枚ほど配ってます。

新たに出会ったお取引先さんには新しい名刺を渡すことですんなり覚えてはもらえるものの、やはり母の代から取引があった業者さんには、未だに ”民宿さん” って呼ばれます。

古き良き時代の屋号なので、特にわだかまりはないですけどね。

おそらく近所のかたは、何で”旅館”になったんだろうという疑問が抜けきっていないと思われますが 序々に浸透してくれることを願います。

そして、この旅館営業の屋号の選定ですが、特に法的なこだわりとか規制は無いそうです。ですから、うちが ”ホテル” を名乗ろうが、 ”ビジネスホテル”、 ”ペンション” を名乗ろうが自由な訳です。

ペンションも良いですよね~。自分が得意とする洋食の料理も出せますし。

と言いつつも、もう少し落ち着いたら和食も本格的に修行を始めるつもりです。

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