震災に負けず立ち上がった宮古の名も無き旅館の記録

みかわ旅館のブログ

宮古西道路 2020年7/12いよいよ開通 磯鶏地区工事のあゆみ

2020年7月4日

開通:宮古西道路

復興道路として国が整備を進めている宮古西道路(正式名称:宮古盛岡横断道路宮古西道路)が2020年7月12日(日)にいよいよ開通します。

なお、12日は長らく望まれていた三陸沿岸道路の宮古中央IC~田老真崎海岸IC間も同時に開通します。

これで県内の三陸沿岸道路は田野畑村以南から陸前高田に至るまでの約9割の区間が開通することになりました。

そしてこの宮古西道路、宮古市藤原に位置する宮古西道路宮古港ICは国道45号に接続され、そのまま宮古港藤原埠頭へのアクセスも可能になります。

高規格道路、いわゆる自動車専用道なので、歩行者をはじめ自転車、125cc以下の軽車両は走行出来ませんのでご注意ください。

この宮古港ICは宮古中央JCへと続く自動車専用高規格道路で、盛岡方面(宮古盛岡横断道路)、仙台方面(三陸沿岸道路上り線)、久慈八戸方面(三陸沿岸道路下り線)の三方へと接続されるのて、宮古市と地域におけるインターチェンジとしての重要性がお分かり頂けると思います。

出典:三陸国道事務所HP

 

つまり、ここから県内外の主要地域へ高速道1本でアクセスが可能になったという夢のようなお話。

 

以下、宮古市藤原の宮古港ICです。

当館から約1分の場所です。

つまり、各方面からみかわ旅館を目指してお越しになるお客様は、この宮古港ICを目指していただければ、当館はこの先300mの位置にあるので飛躍的にアクセスが向上することになります。

 

宮古港IC周辺もインターチェンジの出現によってだいぶ整備されました。

藤原埠頭方面

 

宮古湾IC交差点を直進すると、そのまま藤原埠頭方面に進むことが出来るようになりました。

とは言っても、宮蘭フェリーも終了してしまったので今後に期待ですね。

 

藤原埠頭入口

 

画像右奥が国道45号線宮古IC交差点、左下が藤原埠頭入口です。

 

宮古市街地方面

 

右側が宮古市街地方面、左が釜石方面です。

新たに整備し直された歩道。幅員も拡張されたので歩行者はかなり歩きやすくなったはず。

 

磯鶏方面

 

画面奥が我らが磯鶏方面。

画面中央に白くうっすらと写っている三角屋根が宮古市民文化会館。

実際のところ、盛岡方面から宮古港付近を目指して来る場合はこの宮古湾ICを目指して来れば良いということになります。

つまり、宮古市街地を通過することなく磯鶏にアクセスできるのです。

国道106号線からみかわ旅館を目指してきた場合、信号はこの宮古湾IC交差点とこの先の石崎交差点の2つのみ、ということになります。

つまり、我々宮古市民が盛岡にアクセスする場合も然り、市内の朝渋滞を回避して国道106号に接続できるということ。

なんという時代になったのでしょう。

私が小学生だった35年前に誰がこの事実を想像したことか。

確かに子供心的にはそうなったらいいな....という妄想はありました。

が、まさかこんな田舎の地方都市、しかもアクセスの悪い沿岸市町村に高速道路(高規格道)が出来るなんて夢のまた夢の話でした。

いや、実際には計画はあったようですが、さすがの自民党政権とてこの工事に関わる莫大な予算をあの未曾有の大災害無しで実現することは困難の極みであったのです。

 

 

宮古西道路工事のあゆみ

2014年8月

思い起こせば、まだこの頃は旅館の裏山はご覧のとおりのでした。

春にはうぐいすが鳴き時折谷渡りが聞こえる。

 

そして、夏の夕暮れ時にはひぐらしの鳴き声が鳴り響く風情ある情景もありました。

 

 

2016年2月

カルバートボックス設置工事が始まりました。

当時の旧JR山田線(現三陸鉄道リアス線)の沿線上に西道路を通すためのカルバートボックスです。

この時点は設置工事に携わった業者様も長期で当館をご利用頂きました。

「サボってないか旅館の窓から見てますからね!」

とかよく冗談を言ってました。

 

同時に山の伐採工事も始まりました。

朝から晩までチェーンソーの音が鳴り響くようになりました。

 

2016年6月

伐採がある程度進むと、いよいよ山を切り開く土木工事へと進みます。

この作業、素人なので何というのか分かりませんが....。

 

2016年8月

台風10号が岩手を襲います。

今までに経験したことのない風と横殴りの雨。

雨がほぼ横から降っているのが分かりますね。横殴りとはまさにこのこと。

現場の責任者さんたちは土砂災害警戒のため、昼夜交代で監視してました。

台風10号の爪痕は大きく、復興工事もそっちのけで台風土砂災害の復旧活動が始まります。

当館は被害は免れましたが、お隣藤原をはじめ市内各地で道路が寸断されるなど、被害は広範囲に及びました。

 

106号線も通行止めです。

 

2016年10月

山の斜面の工事もだいぶ進んできました。

「こうやって山を切り開いていくのね.....」

と毎日が勉強?です。

 

2016年12月

旅館から見える山肌はすっかり土色に。

重機の数も日に日に増えているような....。

 

2017年3月

旅館から見える山はほとんどなくなりました。

道路が一本出来るだけで、なんか田舎から都会へと進化していくような気もしてきます。

 

2017年4月

法面工事が始まりました。

重機の数がハンパない....。

出撃を待つモビルアーマのよう。

 

そしてこの頃から道路敷設のための土木工事が始まりました。

現場がちょうど大規模な岩盤だったらしく、朝から夕方まで岩盤を砕くドンドンガンガンという音と振動に約2年悩まされます。

当時夜勤のお客様も時折泊まっていて、日中に休まれるわけですからクレームにならないかとヒヤヒヤものでした。

 

2017年9月

正面の法面工事ほぼ完了。

これでひとまず、台風が来ても土砂災害の心配はなくなりました。

ひと安心。

 

2018年3月

トンネル掘削のための現場事務所と仮設コンクリートプラントを建設するための基礎工事が始まりました。

 

そして、あれよあれよというまに完成。

早っ!......。

この年の4月から西道路磯鶏トンネルの掘削工事が始まりました。

一日24時間の間に計6回の発破作業が昼夜問わず行われました。

掘り始めのあたりは当然当館との距離も近いため、発破のたびに建屋が大きく揺れました。

宿泊中のお客様が、当館がガズ漏れで爆発したのでは?と勘違いされて2Fから降りて来たことも....。

 

2018年6月

相変わらず昼夜問わずの作業。

お疲れ様です。

 

2019年3月

三鉄リアス県開業とプラント。

 

 

2020年3月

しばらく撮影をサボっている間に、プラントと現場事務所は姿を消しました。

撤去されたのいつだったかな....。

よく覚えてません。

日々の景色に変化が無くなると、人って興味が薄れるんですかね?。

あ、自分だけかな?。

この頃から道路の舗装工事とトンネルの設備工事が始まったっぽいです。いや、もっと前かも知れません。

なにせ見えないもので.....。

 

2020年6月

いよいよ仕上げ。

道路設備の設置工事が始まりました。

道路案内板、トンネルの非常警報システム、ガードレールなどなど。

ここからは作業が早かったです。

 

道路案内標識

 

トンネル非常警報システムとLED標識

 

ペデスタルボックス

変圧器か通信ケーブルの増幅器?、非常電源装置、電線のどれでしょうか?。

 

現場の全体図

すっかり道路らしくなりましたね。

 

こうして約6年の歳月を経て磯鶏地区の西道路工事は終了しました。

工事に携わった皆様、長い間お疲れさまでした。

 

次回は是非、当館を定宿にして頂きたいと思われます。

なんて。大手さんなので無理ですね....。

 

 

まとめ

うちの嫁は自宅や旅館から見える裏手にそびえる山に憧れて三河家に嫁に来たそうです。

 

となると、山がなくなったいま、もはや離婚なのか!?。

というわけで山が無くなってしまったので離婚の危機へと差し掛かりました....笑。

確かに目の前の大きな自然が失わてしまいましたが、この道路が将来多くの命を守る道路になることを願わずには居られません。

日々の物流や地域経済の発展、地域の暮らしの面でも大きく役立つことは間違いありません。

 

最後に、

みかわ旅館は宮古盛岡横断道路宮古西道路 宮古港ICからクルマで1分でございます。

アクセスが大きく向上したみかわ旅館へ、観光のお客様、工事のお客様含め、皆様のご来館を心よりお待ちしております。

 

宮古西道路 宮古港ICは2020年7月12日(日)、いよいよ開通です。

 

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