震災に負けず立ち上がった宮古の名も無き旅館の記録

みかわ旅館のブログ

震災から9年 変わりゆく町並みと整うインフラを観て感じること

 

 

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震災から9年

ご無沙汰しております。

管理人のShigeです。

 

震災から9年を迎えました。

この9年を迎えるにあたり、思うところは多々あるところではあります。

あっという間の9年と言えばあっという間だったのかも知れません。

しかしながら、何もかもがむしゃらにやってきた自分にとっては、ホントあっという間の9年だったように思います。

 

このところの宿事情で言いますと、復興に伴う公共工事については2018年を堺に一段落した影響が既に2019年から出始めています。

当館も例外ではなく、自身が予想していた収益の減少が想定していたよりも早く訪れ焦りを隠せません。

 

しかしながら、まだまだ宿需要というものはゼロになったわけではないので、現状はまさに孤軍奮闘状態。

生きていく術を自ら手探りで模索していくしかありません。

これが震災後9年目の被災地の現状であると思うところです。

需要があり続ける限り、頑張るだけです。

 

正直なところ、巷では震災9年よりもコロナ騒動で大変なことになっています。

人が集まる集会やイベントなどは軒並みキャンセルや中止が相次いています。

自治体主導の震災記念式典等々もキャンセルです。

宮古市は規模を縮小して行うとのことです。

避難訓練等は延期のようですが、いつになるかは未定のようです。

これについては2次的、3次的災害を抑止するため仕方のない事。

 

コロナが世界的に及ぼす経済的な損失は東日本大震災以上になるという予測も出ているようです。

一体この国は、世界は、今後どうなってしまうのでしょうか?。

 

 

宮古市役所 旧庁舎解体

このところの宮古市の状況です。

2020年3月現在、旧宮古市役所は現在解体工事中です。

 

因みに現役時代の庁舎はこちら。

 

2020年3月現在。

解体工事の真っ最中です。

 

撮影日があいにくの曇り空だったので、こうしてみるとなんか不気味ですね...。

まさに廃墟.....まぁ廃墟に変わりは無いんですけども。

地元企業によって順調に解体が進められています。

国道45号線沿いにあって、久慈方面から釜石方面に向かう際に必ずこの本庁舎の前を通過するのが当たり前だった時代は、三陸道の全線開通とともに間もなく終わりを告げます。

既に庁舎も移動しましたが、三陸道が全線開通すれば、もうこの周辺は地元の車しか通らなくなることでしょう。

 

因みに、この本庁舎の向かい側にあった分庁舎は既に解体が終わっています。

本庁舎の解体後の土地利用については、数年前に聞いたところ公園的なものになるとの事でした。

 

新庁舎はこちら。

 

 

 

 

 

Cafe 異人館

震災後から昨年までの間、防潮堤の工事が行われていた高浜のCafe異人館さん。

マスターとは昨日、所用でお会いしたばかりです。

2019年の5月、店舗前の防潮堤が完成しました。

持ち前の画像から完成後の防潮堤の写真を.......と思ったら見つかりませんでした。

ということはつまり、私は完成後の防潮堤を撮影していなかったという事実が今頃浮き彫りになってしまいました....反省。

防潮堤完成後は我々ローディーには嬉しいサイクルラックも常備して頂いたので、今後は私のロードバイク活動においても異人館さんを利用させて頂くようにしたいと思っています。

2,019年8月、盛岡の友人が宮古に訪れた際にも実は使わせて頂いていて、その利便性の高さは実証済みです。

マスターもローディーであるだけに、この辺の配慮はさすが!としか言いようがありません。

ロードバイク乗りの心理をよく理解されています。

サイクルラック常備の飲食店は宮古市内にはほとんどありません。

 

 

 

夏にはこんな素敵なオープンテラスでコーヒーが飲めるようになりました。

 

海は見えませんが、店の前に防潮堤に登る階段があるのでそこを登ればいつもの宮古湾が一望出来ます。

 

テレビでもたびたび取材を受ける異人館さん、現在も市外県外からのお客様が絶えないそうです。

 

宮古に訪れた際は、是非足を運んでみてください。

気さくなマスターがお出迎えしてくれます。

 

宮古市鍬ケ崎地区

2017のブログでも取り上げた鍬ケ崎地区の防潮堤工事。

 

防潮堤工事は現在も行われています。

道の駅 なあど前

 

震災前は防潮堤が皆無であり津波により多くの人命と財産を失うことになりました。

漁協ビルより日立浜方面

 

小高い丘から見える街並みもすっかりと変わり果ててしまいましたが、防潮堤の整備によって今後多くの尊い命が救われることを願うばかりです。

 

閉伊川水門工事

当初の計画よりも工期が遅れ、同時に予算も肥大化していることで問題となっている閉伊川水門工事。

 

この水門の存在については住民からも賛否両論です。

水門が出来たことで昨年の台風19号での浸水被害が拡大したとの見方も強まっています。

また、東日本大震災と同等クラスの津波が押し寄せた場合かえって被害を拡大してしまう懸念も聞こえてきます。

私は専門的な事はわかりませんが、とにかくやりかけの工事が早期に完了してくれる事を願うばかりです。

 

 

宮古西道路

みかわ旅館の裏から三陸道宮古中央ICに接続する宮古西道路は、令和2年夏の開通を目指して現在も工事が行われています。

この先は盛岡方面に向かって道路の整備中ですが、トンネル自体はすでに2019年に開通しているようです。

現在は道路工事中です。

国道45号線磯鶏地区から盛岡方面へのアクセスは格段に上がりましたが、そもそもこの宮古西道路の整備の目的は宮欄フェリーを利用する輸送業者や旅客のアクセスを考えてのこと。

道路が間もなく開通という時期に来て、皮肉にも宮欄フェリーがまさかの終了という自体。

採算が取れていなかったそうですが、ネットの声では三陸道が全線開通していないうちに開通が早すぎたのでは?との声もあるようです。

”廃止”ではなくあくまでも”休止”のようですが、再開の可能性があるとしてもその再開の目処はどのタイミングで何を根拠に決定するのかが微妙なところであると思います。

確かに全線開通すれば無料で石巻まで高速を走れるというのは大きなメリットと思いますが、それらを決めるのはまさに運送会社。

トラックに乗ってもらわなければほぼ意味を成さないとされるフェリー運行。

成否の明暗は今後の物流がこの航路に対しての価値を見いだせるか?というところだと思いますがどうなるのでしょうか?。

私も一度使ってみたかったのですが、業種が業種だけになかなか、「フラッと北海道まで~」なんて訳にも行かず.....。

夢叶わずに終わってしまいます。

地域に住む事業者としても、何とか再開、成功して欲しいと願うばかりです。

 

まとめ

三陸道が整備され、私も所用で仙台まで3度ほど使わせてもらいましたが、アクセスの速さは申し分ないです。

しかも無料です。

宮古市から仙台方面へのアクセスが向上したということはつまり仙台方面からのアクセスも向上したわけですから、今後の観光やビジネスでの需要はさらに高まって然るべきです。

人工の流出も懸念されますが同時に流入人口も増加する筈です。

高速が通れば宮古市なんか皆素通り....とのご意見もありますが、それはあくまでも利用者が決める事。

素通りが現実になれば、宮古市にはもともと魅力が無かったというだけの話です。

そんな宮古市にはしたくありません。

 

コロナウィルスが終息した暁には、日本人観光客が多く押し寄せる魅力ある街にしていかなければなりません。

その魅力ある街を作るのは官民の意識の問題です。

被災地の復興が終わったら、これからは躍進の年。

宮古市に人を呼び込む施策や魅力を問わなければなりません。

 

  • B!