震災に負けず立ち上がった宮古の名も無き旅館の記録

みかわ旅館のブログ

みかわ旅館の業務日誌68

2015年11月10日

3日続けての雨模様....

低気圧の影響で、日曜日から続けて雨に見舞われている宮古市です。

太陽の恵みを3日間も受けていません....。雨が続くのは久しぶりです。恐らく秋口に襲った台風以来かというところですね。

お仕事に出かける工事業者さんが気の毒でなりません。

 

 

明日は晴れるようですので、あと一日の辛抱ですね。

 

 

三陸産真いかの旬に異変が.....。

宮古の海産物の中でもそこそこの漁獲高があり、お土産としても人気の真いか。

本来の旬は8月から10月頃なのですが、震災後からでしょうか?8月~10月に水揚げされる真いかの型は小さいものばかり。とても飲食店や宿泊施設で刺身として扱うには型が小さいのですよ。

いざ、刺身の献立に入れようと歩留まりから原価計算をしますと、1杯のイカから最低で4人前は取れないとなかなか厳しいものがあります。私は1杯から5人前を基準で仕入てます。

それでも10月ごろからそれなりに型の大きい物が採れ始めました。しかし、これでも本来の旬から考えれば2ヶ月もずれています。

昨シーズンに至っては、2014年11月から今年の2月頃まで真いかが捕れてましたから、この時点で異変なのでしょうね。

イカの寿命は約1年と言われていますが、三陸て採れる真いか(通称スルメイカ)は12月~3月の時期に東シナ海から九州北部までの沿岸で発生し、黒潮に乗って太平洋を回遊しその体を大きく成長させます。

やがて8月から10月にかけて三陸沖まで北上、最大サイズにまで成長した辺りで宮古沖で捕獲されると言います。

この時期が震災の影響からなのかずれ始めているのですかね??詳細は分かりませんが。

去年もずれたという事は、当然今シーズンもずれる訳で。この辺は何となく理解できます。

突然変異で急激に成長が早まらない限りは、もとの旬のサイクルに戻れないのでは?と素人ながら心配しています。

それもそのはず、本来であれば夏の真っ只中に地元産の刺身として胸を張って提供してきた宮古産の真いかが、旬の時期に御膳を飾れないというのはどことなく寂しいものです。

しかし旬がづれるだけで、実際に採れたイカ自体は鮮度さえ良ければ相変わらずの肉厚でプリプリです。

実は昨日、知り合いが突然16杯のイカを持ってきてくれました。

(Oさん!!ありがと~~~~っ!!)

大きさに若干のバラつきはあるものの、全て充分な大きさです。

16杯を一人で捌くとなるとそれなりに時間もかかります。

 

 

イカを捌く

 

胴体と足を離して、2枚皮を剥きます。

 

勿論、その日のうちに捌かないと鮮度が落ちます。

16杯も一度に使い切れないので、処理後冷凍する事にしました。

 

皮むき後、包丁で開いて中内側の処理をします。

 

この後に水洗い。

イカはあまり水洗いするものではないと言いますが、私は腸炎ビブリオ対策としてしっかり真水で洗います。しかも、近海で採れたイカにはなにかと付いていてはいけない虫が多いので特に油断出来ません。

イカと言えばアニサキスが有名ですが、近海で採れたのイカにはニベリニアという寄生虫が付いている事が特に多いです。しかしこのリベリニア、人体には寄生しないようなので誤って食しても害はないと思われます。

そのため、よ~く見て水洗いは必須です。だから時間が掛かるんですよね。

 

こうして約一時間をかけて真いかさんを綺麗に処理して冷凍をかけました。

鮮度の良いうちに捌いて冷凍すると、クオリティーは生イカと殆ど変わりません。しかも、万が一寄生虫が存在していたとしても冷凍する事で死滅させる事が出来ます。

今回頂いたイカには付着は見られませんでしたが、土屋さんも記事内で言及している通り、例えスーパーで買ってきたイカであっても、包丁で捌く前にしっかり肉眼で確認してから食卓に並べて下さいね。

 

 

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