哲学

復興工事のお客様に求められる宿とは・・・

2015年6月17日

宮古市の復興工事も本格化している昨今、ご宿泊頂くお客様からは 「先の見えない工事だ・・・」とその災害工事の規模の大きさ、そして終わりが見えない工事の先行きに対しての率直な感想を話される方も少なくありません。

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それだけに今回の震災の規模が大きかった事を物語っているかのようです。

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現に私共も、復興工事で宿が足りないという現実が無ければ、宿泊施設の再建など夢にも思いませんでした。

私は今でもサラリーマンをやっていた事と思いますよ・・・笑。

震災から4年が過ぎました。私共が再オープンを果たした昨年秋から8ヶ月、未だに当館のような小さい旅館でさえ需要があるというのは本当にありがたいことであり、同時にその工事のお客さまを長期に渡って元請けさんよりお預かりする訳ですから、その責任の重さは重大だと捉えております。

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たかが旅館、されど旅館。

宿泊施設が無ければ、工事も一向に進まないのです。

しかし、その需要の恩恵に預かり過ぎて手を抜いてしまうというのはお客様に対しての冒涜であると私は考えます。

そんな被災地の片隅で、復興工事のお客様をおもてなしする私ども宿泊業者に求められるものとは一体何なのでしょうか?

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以前のブログでも掲載した事があるのですが、建物は新しいに越した事はないが、お客様の中で施設が新しいから・・という理由で当館を選んでくださった方は、少ないように思います。

これは、私自らがお客様にヒアリングした正直な結論です。

「どうして当館をお選びいただいたのですか?」

① 現場が近かったから

② wifiがあったから

③ 電話をしたら、たまたま開いていたから

というような、お仕事目的で当館をご利用される方のきっかけはこのような平凡な意見が多かったのです。

でも、これはこれでいいんですよ!。

きっかけに過ぎないのですから・・。

でも、このきっかけを知っておくというのは非常に大事です。

この後のビジネスを考えていく上では非常に役に立ちます。

お客様が何を求めて、何を条件に宿を探されるのか?これを知る努力をしなければ、今後観光のお客様を受け入れる際の判断に迷うと思われます。

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ここで問題となるのは、そのお客様を1回限りのお付き合いで終わらせるのか、また来て頂けるように努力するのか?。

私は旅館は常に料理で勝負しなければならない!と強く思います。

(接客が良い!というのは大前提です!)

実際に1ヶ月以上の長期で宿泊されるお客様の事を考えてみてください。

まずい料理、ボリュームのない料理、肉系が好きなのに魚系の料理しか出てこない宿、若しくはその逆とか・・・。

そう、長期のお客様にとっての唯一の楽しみは?と聞くと、殆どのお客様が

「ご飯かな~?」

と答えます。

ですので、毎日の料理の献立を大女将と吟味します。

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そして、滞在中のお客様から

「お陰で太ったよ!」

と言って頂ければこちらのものなのです!。

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ある意味、胃袋を掴む!という手法ですね。

でも、料理の好みはあくまでも一人ひとり違う訳ですから、そこを見極めて皆様にすこしでも満足して頂ける料理を継続的にお出しするには、やはり献立しかないのです。

復興旅館に求められるのは、ここ長期のお客様の胃袋を掴むこと、そして滞在中のお客様に対して「食」を通じて健康管理のサポートをする事!この2つしかないのです。

食事に満足して貰えなくて仕事もやる気が出ないとしたら、お客様にも地域の復興に対しての貢献度も下がってしまいます。

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ですので、私も若女将も、大女将の味を盗むべく今日も料理の修行に余念がありません。

そして、今日もお客様の為に献立を吟味して考えています。

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